横浜市の住宅街を流れる水路で熱帯魚が大量繁殖しています。飼っていた人が放流したことがきっかけのようですが、生態系の破壊につながる懸念が出ています。
■住宅街の水路で熱帯魚大量繁殖 「1000匹以上いる…」
横浜市の住宅街を流れる綺麗な水路。放流されている鯉が人気の近隣住民の憩いの場ですが、水の中をよく見てみると縞模様の小さな魚が。
この水路を管理している男性は…

佐江戸せせらぎ水辺愛護会 安部喜平会長
「4~5年前に発見されたんですよ。急に増えだして」
近隣住民の間でも話題になっている謎の魚。自然環境保全に詳しい専門家に聞いてみると…

自然保護団体「NPO birth」久保田潤一さん
「ゴールデンゼブラシクリッドではないかなと思います。中央アメリカから南米、アフリカから南アジアにかけて生息しているグループです」

水路にいたのは本来、日本には生息していないアフリカの熱帯魚「ゴールデンゼブラシクリッド」。ペットショップで1匹200円程度で売られているというのですが…
自然保護団体 久保田さん
「おそらく飼いきれなくなったりした方が、放してしまったものだろうと思うんですけれど」
こちらの映像は、その熱帯魚を捕まえに来た男性が4月10日に撮影したもの。

あらかわさん
「これやばくないですか?めちゃめちゃいません?でかいの。(捕まえたのは)50匹から70匹くらいかなと思う。多分あと1000匹以上、もっといると思います」
水路で繁殖した結果、大量発生したとみられていますが、なぜアフリカと気候の違う横浜でここまで繁殖したのでしょうか?

実はこの水路には近くの下水処理場の処理水が流れ込んでいて、年間通して水温が20度前後と温かく、熱帯魚でも寒い冬を越せるといいます。
生態系の破壊に繋がる身勝手な放流で発生した大量繁殖。
自然保護団体 久保田さん
「日本の在来の生き物を守る意味でも、飼っていたものを放すというのは絶対にやめていただきたい」