国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、去年1年間に世界で少なくとも883件の死刑が執行されたと明らかにしました。過去5年間で最多の水準となります。

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは16日、世界の死刑に関する年次報告書を発表しました。それによりますと、去年1年間に少なくとも世界20の国で883件の死刑が執行されたということです。

中東や北アフリカを中心に全体で前の年から53%増えたとしていて、2018年以降の過去5年間で最も多い水準です。

件数が多いのは、▼イランが少なくとも576件、▼サウジアラビアが196件、▼エジプトが24件で、イランでは政府への抗議デモ参加者に対する死刑執行が相次いだほか、サウジアラビアでは1日に81件執行されたこともあったということです。

中国は最も件数が多いと見られていますが、死刑情報が公開されておらず報告書では推計を公表していませんが、アムネスティ・インターナショナルは「死刑執行や判決の言い渡しの数は毎年、数千件規模にのぼる」とみています。

日本では2022年に1件、執行されました。

一方、カザフスタンやパプアニューギニア、シエラレオネ、中央アフリカは2022年に死刑を全面的に廃止しています。