予想外に一番に着いた仏・オランド大統領

そして、伊勢志摩サミットが始まってからも、想定外の事態に遭遇したという。初日、各国首脳は中部国際空港に専用機で降り立ち、ヘリで会場近くの「志摩スペイン村」の臨時ヘリポートに飛来し、ホテルを経由して伊勢神宮を訪問する予定だったという。
ところが、フランスのオランド大統領が中部国際空港に到着した際は雨模様で、ヘリのフライトが出来ず、伊勢神宮まで2時間半かけて陸路での移動が選択された。これ自体は警備計画でも想定されていたというが、問題はオランド大統領が各国首脳の中で、“一番早く伊勢神宮に到着してしまった”ことだったという。当時は、安倍総理が各国首脳を内宮の入口にかかる宇治橋前で出迎えたのだが、その順番が変わってしまったのだ。
「プロトコル、外交儀礼上ですね、首相から来て次は大統領が来るっていう順番で、かつ首相の中でも、年齢と当選期数の低い人から順番でトルドー(カナダ)が来てから、イタリアのレンツィが来て、最後はメルケル(ドイツ)が来て、オランドが来てオバマが来る順番だった」(鈴木英敬衆院議員)
つまり、オランド大統領は最後から2番目だったのに、早く到着したため待ち時間が発生し、当時外務大臣だった岸田氏が相手をしたのだという。オランド氏は伊勢神宮の訪問者の数を質問したため、急遽その場にいた鈴木氏が「式年遷宮で1400万人、平時は800万人でルーブル美術館とほぼ同じ」と答え、オランド氏の理解を得たそうだ。