安全確保の「最後の砦」は地元住民の目

広島サミットは都市型のサミットでもあるが、会場のホテルは宇品島という一本の橋でつながった島の先端に位置する。さらに、各国首脳は厳島神社のある宮島訪問も予定されており、その移動の際の警備も大きな課題だ。
鈴木氏は「広島という大都市の真ん中を通っていくことにおいて、交通規制、警護ということが我々の場合とちょっと違うと」と指摘した。一方で、伊勢志摩サミットの経験から周辺住民の「目」も警備には大事な役割を果たすという。
「テロ対策パートナーシップといって、住民(三重県)の皆さんに、警備、安全安心確保の協力をしてもらった。つまり、日常との違いや異常を一番わかるのは、地元の人たちです」住民の目も活かしながら“不審なもの”がないのか、細かくチェックしていくことが、安全確保の「最後の砦」でもあるのだろう。
鈴木氏自身は「困難な課題や想定外」もあったが伊勢志摩サミットを成功裏に終わらせることができた経験から、広島サミットへの期待も大きいのだという。
総理を狙った事件が相次ぐなど不安材料は尽きないが、G7広島サミットの舞台で日本の警備力の真価が問われることになる。
毎日放送報道情報局 解説委員 三澤肇