鈴木氏によると、三重県庁は官邸や外務省とネットでつながっており、県庁がサイバーテロにやられたら全てに影響してしまう。県庁内では「不審なファイル」を開かないなど、職員の訓練を徹底したという。一方で、実際のサミットの警備ではさらなる「衝撃」が待ち構えていた。
突如知らされたオバマ大統領の「広島訪問」…警備が削がれた

伊勢志摩サミットを前にした5月10日、日米両政府からオバマ大統領の広島訪問が正式に発表された。原爆を投下したアメリカの大統領が広島を訪れるのは初めてのことで、歴史的、政治的な意味合いは大きかったが、直前での訪問決定はサミットの当事者からすれば「警備計画の大幅な変更」を余儀なくされる瞬間でもあった。
鈴木氏は「既に配置された47都道府県警察の一部が広島に移動することになったので、一部を剥いで、当初予定の警備をやるってことですから、警備のみなさんは相当大変だったと思う」と述懐した。

さらに広島へ移動するため、警察用に借り上げていた「ホテルや旅館の損失」も補償する必要があり、三重県は補助金を出して財政的な支援を行ったという。今回、広島サミットに出席するバイデン大統領は、国内の債務上限引き上げをめぐる野党との協議という火種を抱え“リモート参加”も取りざたされたが、サミットの前日18日に日米首脳会談のため広島に到着するという。