G7サミット開幕まで秒読み段階に入った広島。首脳会議の会場「グランドプリンスホテル広島」やその周辺には、全国から都道府県警察が集められ、不審者やおかしなものがないか、目を光らせる。安倍元総理の銃撃や、岸田総理に爆発物が投げつけられる事件が発生するなど、警備の重要性はより高まっている。

 約7年前の伊勢志摩サミットを経験した鈴木英敬衆院議員(元三重県知事)が指摘するのは、今回の広島が「都市型のサミット」でありながら、会場や訪問予定の場所が「島」である2つの要素が織りなす警備の難しさだ。サミットの“舞台裏”を含め、話を聞いた。

サイバーアタック?三重県庁にメールが急増

伊勢志摩サミットの会場となった「志摩観光ホテル」

 伊勢志摩サミットが開かれたのは2016年の5月26,27日。実は5月に入ると、三重県庁には、表からは見えない“ある異変”が起こっていたという。それは県に送られた“メールの量”で、前年の5月に比べ数倍、正確な数字はないが、おそらく5~6倍に増えていたのではないかというのだ。

一体、どこから何の目的でメールが送りつけられてきたのか…当時の三重県知事・鈴木氏は振り返る。「大半がヨーロッパ大陸とか中国とかを経由した『サイバーアタック』みたいなウイルスメールですね」