■「21歳の次男は拘置所に」息子はギャンブル依存症で…
21歳の息子がギャンブル依存症になった母親です。家族としていま、苦しみの真っ只中にいます。

(母親)
「初任給で買ってくれた、母の日にくれたクマです。ちょっと動かす時とかにも思い出しますよね。」
「次男は、岡山刑務所の中の拘置所にいます」
息子は2年前、パチンコにはまりました。家庭内で母親の財布から金を繰り返し抜き取るようになったため一人暮らしをさせたところ、今度は勤めていた会社で社長の財布から現金4万円を盗むなどして、2022年2月に逮捕されました。

(母親)
「うちは母子家庭だったから、さみしい思いをさせたからかなとか、とりあえず自分を責めて、私の育て方が悪かったんだなっていう…。苦しいとは思いますけど、ギャンブルをしない毎日を過ごしてもらえたら。あの子なら出来るっていう風に信じているので…」
重大な結果になる前に…。
「依存症かもしれない」と悩む人が相談できる場があります。岡山と倉敷に拠点を置く当事者グループ、GAです。仮名で参加し、週に1回、自分たちの経験や思いを互いに打ち明けます。
(初参加した夫婦)
「皆さん同じような思いを持たれながら、苦しみながら生活されていると思うと、安心したじゃないですけど、家族が辛い思いをしないためにも、自分を変えていきたい」
競馬にはまった石沼さん(仮名)も、6年前からこのGAを利用。仲間の存在も支えとなり今はギャンブルから離れることが出来ています。
(石沼さん〈仮名〉)
「とにかく近づかない。分かるきっかけがないとそういう風に気づけない」
一方でギャンブル依存症患者の家族が苦しみを分かち合う場もあります。息子が逮捕された母親も日々の心境を打ち明けながらその帰りを待ち続けています。

本人だけでなく家族をも苦しめる依存症。専門家は、一人でも多くの人が回復への道にたどりついて欲しいと訴えます。
(岡山県精神科医療センター 橋本望医師)
「他の活動を増やしていきましょうと。その人に合う…以前スポーツをしていたら、楽しかったら、そういう生活を取り入れられるならどんどん取り入れる。恐い病気の一方で回復できるんだというメッセージも同時に発信していかないと」
「のめり込み過ぎないように」と、国や各団体も注意を促しています。苦しむ人が絶えない今、病気への正しい理解が求められているギャンブル依存症です。