最近、何かと話題となっているのが対話型のAI、「ChatGPT」。質問を投げかけると人工知能が答えてくれるチャットサービスです。
ユニークな発想から生まれた鹿児島版のChatGPT?も開発が進められています。
今、注目を集めている「ChatGPT」。アメリカのOpenAI社が開発した対話型の人工知能で、アカウントを取得して利用するサービスです。
実際にチャットGPTとは何か、入力してきいてみると「人工知能技術の進歩によって、より自然なコミュニケーションが可能」という答えが数秒で返ってきました。
自然な会話が特徴の「ChatGPT」。他人には相談しにくい「夏までに彼氏をつくるには」との問いに、『焦りすぎず、自分に合ったタイミングで出会いを楽しむことが大切』と優しくアドバイスしてくれました。ところが。
(記者)「南日本放送を調べてみます。『熊本県熊本市にある民間の放送局』と出てきてしまいました」
(デジタルレシピCTO 古川渉一さん)「“熊本県”は間違っていたが“テレビ局”というのはでてきた?(記者:でできました)これが一種、質が悪いというか、一部間違っていて一部正しいので、勘違いしやすい」
AIを使った事業開発などを手掛ける「デジタルレシピ」で最高技術責任者を務める古川渉一さん(30)です。ChatGPTについての解説書をいち早く出版しました。
(古川渉一さん)「ChatGPTは、あくまでもそれっぽい事を言うAI。ネット上にある情報をとりあえず大量に集めて知っている人、という感じ。チャットGPTで何か事実を知るということは、使い方として適切ではない」
使い方には注意が必要であるものの、困ったときにアドバイスをくれる友達のような付き合い方をしていくことを勧めます。
(古川渉一さん)「あくまでサポート。忙しくて手が離せない、すぐ聞けたら仕事進むのになとか、そういった業務効率化に使うのが良い」
現在は東京で働く古川さんですが、さつま町出身です。鶴丸高校を卒業後、東京大学に進学。AI=人口知能に関する研究を続けてきました。
現在開発中なのが、ChatGPTではなく…「Jaddo(じゃっど)GPT」です。SNSで公開された製作途中の動画では、AIが鹿児島弁に翻訳しています。
(古川渉一さん)「『じゃっどGPT』という名前を見た瞬間に『これだ!』と思った。鹿児島弁もわかり、AIも作れる、もう自分がやるしかないという謎の使命感にかられた」
意欲を刺激したのは、MBCタレント・野口たくおさんの、何気ないネットでのつぶやきでした。
(野口たくおさん)「じゃっどGPTができたらいいなと。行にすれば3行くらいで(投稿した)」「めっちゃうれしかった。初めて悪ふざけに乗っかってくれた方がいて、それが本物の方っていうので『えー』っと」
投稿を見たその日のうちに開発にとりかかりました。
(古川さん)「AIは鹿児島弁がわからないので、教えてあげる」「『うれしい』→『うれしか』となるように形容詞はこう変化すると。古文っぽい」
あくまで趣味の範囲で始めたじゃっどGPT。公開した動画は鹿児島県民を中心に反響が広がっています。
(古川さん)「一般公開できるところまで頑張らないといけないと決意を新たにした」「イントネーションを含めて鹿児島弁。文章を読み上げるようなものを作りたい」
(古川さん)「『あなたの名前は何ですか?』→『おまんさん名前はなんじゃっどけ?』」
鹿児島弁から標準語に訳す機能も。
(古川さん)「『こけけ』→『こっちに来て』となりますね」
ネーミングもユニークな「じゃっどGPT」。ところが先日、チャットGPTを開発したOpenAI社は、「〇〇GPT」という名称の使用を禁止するガイドラインを発表。残念ながら、「じゃっどGPT」も今後、名称を変更する予定です。
名前は変わっても、鹿児島弁を話すAIが誕生すれば方言の存続につながるかもしれません。
(古川さん)「鹿児島弁を話す人が少なくなっている・理解できないということ、文化・歴史をAIによって語り継いでいけると思っている」
完成が待ち望まれる鹿児島版の対話型AI。今後、進化を続ける人工知能と上手に付き合っていくことが求められますが、同時に期待も膨らみます。
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