しかし、オランダ王室が雅子さまのご病気を理解した上で温かい配慮やもてなしをしたことや、マキシマ王妃から直々に招待の電話があったことなどが後押しとなり、雅子さまの出席が実現したのです。隣に立つ現在の天皇陛下の嬉しそうな表情がとても印象的です。

オランダ滞在中は即位式とレセプション以外は一切外出せず、行事の間も同行した主治医が待機するという厳戒態勢でしたが、結果的に、この即位式への出席が大きな自信につながり、雅子さまの公務復帰への流れを作ったと言われています。

雅子さまに“変化”予定外の交流も トンガ・トゥポウ6世(2015年)

雅子さまはオランダの即位式の2年後、2015年(平成27年)にはトンガのトゥポウ6世の戴冠式に皇太子さまとともに出席し、トンガの王族らとともに最前列で戴冠式を見守られました。

雅子さまは戴冠式だけでなく王室主催の昼食会にも参加され、さらにその翌日には、ホテルで休養する予定を急遽変更し、現地の日本人らとの面会に参加されました。

オランダ訪問の際には、予定の行事以外は一切外出されずホテルで過ごされた雅子さまにとって、大きな変化でした。

皇位継承者として出席 新たな“皇室外交”の1ページに

このように海外の国王の戴冠式・即位式には、天皇陛下ではなく皇位継承順位1位の皇太子が出席するのが慣例となっていて、今回は、皇嗣である秋篠宮さまがご夫妻で出席されます。
戦後の皇室の国際親善の原点となった「イギリス戴冠式」。70年の時を経て、日本と英国の間にどんな歴史の1ページが刻まれるのか注目されます。