去年7月の世界陸上オレゴン大会は、女子やり投で日本人初となるメダルを獲得。銅メダルの快挙の裏には、シェケラックコーチの存在がありました。
北口:
コーチは同じ方向を進んでくれているひとりの仲間だと思っていますし、背中を押してくれていると思います。
2大会連続メダルへ。その鍵を握っているのが、シェケラックコーチならではのトレーニングです。

高橋:
シェケラックコーチとはこれで4年になると思うんですけど・・・。
北口:
まあちょっとチェコ語も覚えて良くなってきているので口答えができるように…。
高橋:(笑)
北口:
今は「私はこう思う」っていう事を伝えることができて選手とコーチとしてあるべき姿のような気がする。
コミュニケーションはチェコ語。その練習は、かなり意外なものでした。持っているのは、「やり」ではなく「砲丸」です。

シェケラックコーチ:
榛花はもっと遠くへ投げられる!
さらに、三段跳のようなトレーニングも。実は、やりを投げる練習は週に2回ほどしか行いません。
北口:
ほとんどがやりを持たない練習で。「やり投選手である前に陸上競技選手だから、陸上のことはほとんど出来るようにしなきゃね」というのと、基本を大事にしている。
シェケラックコーチ:
陸上競技の基礎を知らないとやり投の動作が上手くいかない。

高橋:
シェケラックコーチの考え方というのは今までずっとやり投をしていた中で、あまり感じていなかったことですか?
北口:
やり投の為の特別なトレーニングに重点を置いていたけど、コーチがトレーニングの意味を教えてくれたり、自分が理解したからこそ、やり投と全然違うと思えるトレーニング全部が「やり投につながっている」と理解して練習が出来ている。よりひとつひとつの練習の質があがったと思います。
シェケラックコーチと練習を始めた2019年には日本記録を樹立(66m00)し、去年の世界陸上オレゴンでは銅メダルを獲得。さまざまなメニューに取り組むことで、陸上選手としてのレベルが上がる、その全てが、やり投げにつながっているのです。

今年8月の世界陸上ブダペストに向けて、シェケラックコーチからこんな言葉を聞くことができました。
シェケラックコーチ:
彼女はすべての面で成長したよ。どんどん力強くなって飛距離が伸びている。記録を塗り替えている。
高橋:
今新しい自分が生まれている感覚、手応えはつかんでいますか?
北口:
今ちょうど新しい自分になろうとしているというか、新しい自分が今出来上がっているので、自分にあったやり投を見つけようとしている最中です。