候補者自ら“選挙カー運転” 実は脆弱だった維新陣営

維新が擁立したのは和歌山市議である林佑美氏。実際に選挙活動を覗いてみると、スタッフは10人以下。大阪から国会議員や秘書が応援に入ったものの、こんな人数で戦えるのかという脆弱な態勢だった。
選挙戦の2日目には、林氏が事務所に行くと鍵が閉まっており、本人自らが選挙カーを運転し現場に現れることもあったという。組織がほとんど無いところから始めた選挙戦だったが、日増しにチームワークは強まっていったといい、私が見たところスタッフの顔には自然と笑顔が浮かび、陣営の雰囲気は良かった。
3人の子どもを育てている立場から子育て政策の充実などを訴えた林氏はその後、弱点の演説力も少しずつ改善させ、統一選前半で奈良県知事選を制した維新の風にのり、支持を伸ばしていくことになった。

一方、門氏の応援には選挙戦最終日に岸田総理が2回目の応援に入り「門博文をよろしくお願いします」と声を張り上げた。総理の演説後、会場では支援者一人一人とグータッチする日焼けした門氏の姿が。当初、「真っ白」と指摘されたスニーカーは薄汚れていて、選挙戦の激しさを物語っていた。