ボンドルドは「キャラクターの強度が強い」
ーーーいろんなキャラクターがいる中で、注目を集めているのが黎明郷「ボンドルド」かと思います。非人道的だけども読者から人気が出るのは、作者としてはどうとらえていますか?
「あれも極めて単純なことなんですけど、キャラクターの強度が強い。
心の師匠の教えなんですけど、キャラクターが立っていて強ければ、もうこのキャラクターが何をしていても見ていたくなっちゃうんですよ。で、そういうところまで持って行けたら要するに続きを読んでくれるので、ドラマを考える必要すらない。
そうやって強度が高いキャラクター同士を出会わせたりぶつけたりすれば、それがドラマになる。それの実践として作ったキャラクターでもあるので、師の教えは確かでした」

ーーー「ボンドルド」と「レグ」たちが戦っている時には、先生の中ではキャラクターが勝手に動くというような感じなのでしょうか?
「そうです。このキャラクターはこういうことしないとか、ルールがありますよね。なのであとはシチュエーションだけ与えてあげると勝手にやり始めるので、そこはうまく編集して面白い所を切り取っていく感じです」
ーーーそれぞれのキャラクターの「口癖」が魅力的です。ボンドルドばかり出て申し訳ないですが「おやおや」とか「かわいいですね」とか。この口癖は先生が描く中で、このキャラクターはこういうことを言いそうだな、とかがあるのでしょうか?
「これも心の中の師の教えに『なくて七癖』というのがあるんですけど、どんなに癖が無いように見える人でも、ちょっと見ただけで七つくらい癖がありますよというやつなんですよね。
これはキャラクターにも当てはまっていて、そこを際立たせていけば、おのずとそういうものが出てくるだろうなということで作りました。
あと、いざこいつはこういうこと言うだろうなとなった時に、自分で口に出して言ってみるんですよ。何度も。で、具合が良かったり、つい言ってしまうというモノは口癖になりうるので、それで自分の口で実践してやっています」