最初は「深く潜れば潜るほど時間がずれていく」仕掛けだったが…

ーーーメイドインアビスの世界観についてですが、地球のように丸い惑星にアビスの大穴があるのでしょうか?

「だいたいそうです。いわゆる星があって、おそらく穴が開いているだろうと。当然深くまで潜ったら、地熱であるとか気圧であるとか、とんでもないことになるはずなんですけど、そこは一体どういうことなんだろうということも、おいおい明かされていくのではないでしょうか」

ーーーアビスの周りは海なのでしょうか?

「そうです。孤島です」

ーーーアビスの周りにも他に島があるのでしょうか?

「もちろんです。オースというアビスを含んでいる孤島の町があるんですけど、それ自体が相当大きめの国の、いわゆる国立公園的な場所なんですよね。
あらかじめ地図は作ってあるんですよ。出さないですけど(笑)。穴に集中してほしいので」

© 2017 つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス製作委員会

ーーー物語で出てくる他国の探窟家がいると思うのですが、あの人たちは他の島からやって来て探窟しているのでしょうか?

「そうです。他の国からやってきています。だいたい探窟家と名乗っている人たちは、ちゃんとライセンスを取ってやっているので。笛はライセンスです」

ーーー穴から地上に出ようとするときに発生する「アビスの呪い(上昇負荷)」はどうやって思いついたのでしょうか?

「やりたいことのために舞台を設定する必要がありました。
ちょっとメタ的な話になってしまうんですけど、要するに人を『穴から出したくない』なと。出したくないと思った時に最初は、深く潜れば潜るほど時間がずれていくというだけだったんです。いわゆる浦島太郎みたいに、潜って少しでも過ごしてしまうと地上に戻った時に誰も覚えている人がいなくなってしまうので、帰っても無駄だよという風に考えていました。
ただ当時の担当編集さんと『ちょっとそれじゃ弱い』と話していて、もっと物理的に分かりやすくできないかとなって、じゃあもう『潜ったら死ぬということにしちゃおう』というのでアップデートしていきました」