30歳の時、衝動的にコナミを辞める

ーーー先生の経歴について伺いたいと思います。もともとはゲームデザイナー?

「詳しく言うと、ゲームのグラフィックデザイナーですね」

ーーー漫画家に転向しようと思ったきっかけというのはあったのでしょうか?

「これがお恥ずかしい話なんですけど、コナミを辞めた歳が30歳でした。
30歳になった時に急に焦りを感じ始めたんですね。言いようのない焦燥感にかられて、衝動的に辞めちゃったんです、コナミを」

ーーー衝動的にコナミを?

「はい、こんな言い方したらあれですけど、元気に動ける時間があと半分くらい残ってるかどうかの状態だなと急に思っちゃって。
それでさらにこれからの30年って、前の30年よりも時間の感覚的には加速度的に速い。と思った時に、これは作りたいものを作れずに終わってしまうぞと思ってしまって、多分それで焦ったんでしょうね。
で、そこから漫画描くとは思ってなかったんですよ、その時も全然。」

©つくしあきひと/竹書房

ーーーでは、衝動的に辞めて、どういった経緯で漫画家になろうと決められたのでしょうか?

「いや、なんとなく作った同人誌が、これは漫画にしたら良いんじゃないかと思って。そこで描いた漫画が竹書房の編集者の目にとまってですね。それでWEB漫画だからいつ打ち切っても良いだろうということで『ちょっとやってみない?』と声かけてもらって始まったのがメイドインアビスです。
なので『1巻の最初の方は、本当に読みにくいので覚悟してください』とこれから読む人に言いたい(笑)」