全国各地で課題となっている「公共交通の維持に」ついてです。岡山でも、JR芸備線などの赤字路線が危機に立たされています。
こうしたなか、先進的な取り組みで注目される地域が徳島県にあります。「世界初の特殊な車両」の導入で客を呼び、路線を維持しようという事例です。
世界初の特殊な車両「バスが鉄道に」どういうこと?

海沿いを走り抜けていく、1台のマイクロバス。
(乗客)
「よそでは見られないから、画期的なアイディアですよね」
「つくりは『バス』なんですよね。これが『鉄道』になったときに不思議な感じがするのかな…」

「DMV」は駅に着くと「モードチェンジ スタート」

徳島県の最南端に位置する海陽町。町の景色に溶け込んでいるこのバスこそが、世界初の乗り物、その名も「DMV」です。


一見、普通のバスのようですが、駅に着くとなんと、レールの前で停まります。

(車内アナウンス)「モードチェンジ スタート」

車体の下からゆっくりと車輪が出てきて…。

そのまま、レールの上を走っていきました。


(阿佐海岸鉄道 大谷尚義さん)
「ナンバープレートが付いていて、そのまま線路を走っていく。DMVは元々マイクロバスをベースに、鉄車輪を付けて改造されている」
線路と道路を走るDMV 観光の起爆剤としても期待

富山県には、従来のJRと路面電車の線路を繋げ、その上を走る車両がありますが、DMVは、線路だけでなく「道路も走れる」世界初の乗り物です。
(阿佐海岸鉄道 大谷尚義さん)
「年々過疎化・少子化の影響で、利用者が減っていきました。今までと同じやり方をしていたのでは、同じように利用者は減っていく、もしくは良くても横ばいだろうと。観光の起爆剤として、そして新たな公共交通機関の可能性を確立させるために導入した」

元々の鉄道の終着駅から「DMV」として新たにバスを走らせ、道の駅やホテルへのアクセスを確立しました。狙い通り、県外からの利用者は倍増したといいます。

(東京からの観光客)
「念願かなってやっと来られました。すごく珍しくて、ぜひ体験したくて」
(高知からの観光客)
「来るにはちょっと遠いんですよね。こういうのがないと、なかなかここへ来るという気持ちにならないというか」