「夏はプレーしたい」エールに込められたそれぞれの思い

【取材後記】TUF報道部記者 伊藤大貴
新型コロナの影響で禁止されてきた声出し応援が、今年の春の大会から解禁されたということで、取材で球場に足を運びました。

スタンドで取材を続けるなかで、ある3年生の控え選手に出会いました。けがをしたことで、冬の間十分なトレーニングができずにベンチ入りが叶わなかったといいます。

「結果を出したくても出せず、悔しい。夏はプレーしたい。でも今は少しでも選手たちにエールを送りたいんです」

まっすぐな目で話してくれたこの選手。まだ春なのに日焼けした顔は、どこか不安と野心が混ざった複雑なものに映りました。

担当記者も10年前までは高校球児。ベンチに入れずに複雑な思いを持ってスタンドで応援していたことを思い出しました。

悔しさを抑えて仲間にエールを送ることすらできなかったコロナ禍。今年ようやく戻ってきた控え選手による熱いエールには、それぞれの思いが込められているのかもしれません。