■どんな時に反撃?「アメリカの情報の正確性は2割」


日本は相手が撃ってきてから反撃するのか、それとも相手が撃つことが分ったら、その時点で拠点を撃つのか。これは長いことグレーゾーンで扱われてきた議論である。今回ウクライナへの侵攻で、事前にアメリカの情報当局はロシアの“攻撃の意思”をピタリと当てていた。では、どのくらいの攻撃の意思で日本は専守防衛として相手国に攻撃ができるのだろうか。

香田洋二 元海上自衛隊自衛艦隊司令官
「本音で言えば、アメリカの情報について私は正確性を2割しか見ないですよ。5割もあれば戦争にならない。今回、ドイツも間違えて海軍司令官がクビになった。スウェーデンも総司令官はロシアは侵攻しないといった。(中略)アメリカがこれまで違ったことはゴマンとあるんですよ。アメリカの情報が水戸黄門の印籠になってはいけない。(大事なのは)客観的に見てこれだ!いうこと。特に軍事作戦だと間違うと部下は死にますし、目標も達成できませんし、だから総合的にあとの8割は人が、日本が関与するんですよ。そういう能力を養わなければならない。(中略)ただ、相手の国に手を出せないとなると、ウクライナのようになるのズタズタで議論しなければならない」

共同通信 久江雅彦 編集委員
「ポイントは不可逆性。相手が日本を壊滅させるといって、ミサイルを直立させて、燃料を注入して。と石破さんが防衛大臣の時に事例を3~4つあげてそれが政府の見解になっている。しかし、それすらも相手が強い言葉で言ったけど本気でやろうと思っていなかった、といえるのでグレーゾーンはグレーゾーンなんです」

小野寺五典 元防衛大臣
「今までの国会議論の整理をすると、相手が日本を攻撃する意思がはっきりしていて、その準備がされていて、撃たれることが明々白々であれば、すでに武力攻撃を受けているという事態認定をして日本から攻撃をすることはできる。(中略)判断は日本政府の政治判断。それは総理大臣の判断で日本が武力攻撃を受けていると判断して反撃する。ただ、どのことがそうでどのことがそうじゃないと、きれいに例示してしまうと日本を攻撃しようとしている相手に逆に手の内が明らかになります。ですから最終的には日本が武力攻撃を受けるという明々白々の証拠があり、状況があり、政治の意思があり国民を守るために自衛隊を出動させるということに尽きる」

■「日本は攻めても守っても強いんだ。これを目指したい」


専守防衛のためにも相手に向けた攻撃能力の向上、さらに小野寺氏がもうひとつ強調したのは守備能力の整備だ。

小野寺五典 元防衛大臣
「ウクライナはソ連時代かなり地下に防空壕も作っている。日本は大深度の地下鉄、あるいは地下街などが使えるのではないか、その場合はシャッターを厚くするとか、エアフィルター、水とか非常電源をちゃんとしておけば、万が一の時にシェルターとして役立てるものがあるんじゃないか。日本は攻めても守っても強いんだ、そして反撃能力もある。だから手を出せない。私たちは是非これを目指したい。これがウクライナから学ぶことです」

(BS-TBS 『報道1930』 5月11日放送より)