相談する場がない現状を改善するためには…

富山県では児童精神科医が不足し、慢性的な初診待ちが問題になっていました。

1人の医師が年間で延べ4000人を観ているケースもあったといいます。こうした状況を改善しようという試みが去年、富山大学で始まりました。

富山大学付属病院 辻井農亜医師:
「子どもの自殺の問題とかいじめの問題、虐待の問題、不登校、子どもの心の問題、全国でもずっと増え続けています。じゃあ、病院とか相談するところにいってきたらと思いつきはするけど、その場所がない」

こう話すのは、富山大学付属病院の辻井農亜医師です。

去年6月、専門家を育成する「こどものこころと発達診療学講座」を県内で初めて設置しました。辻井医師はいわば「お医者さんの先生」。小児科や精神科の医師が児童精神科をかけ持つことは多いですが、辻井医師が求めるのは「より子どもの奥深くをみる」専門家を作ること。

医師資格にプラスして、子どもの「こころ」の専門医の資格を取得する医師を増やすことで、悩みを抱える子どもやその親御さんたちの心に寄り添ってあげられるのではないかと考えています。