「先陣切って戻り、新たな道しるべに」

避難指示解除から数日が経った4月4日、近藤さんは窯を営んでいた場所を訪れました。

近藤さん「様変わりした。盛んに除染作業をしているので大分見晴らしはよくなりました」

震災前とは一変。敷地の中は、作業小屋1軒を残して解体せざるを得ませんでした。

近藤さん「何もなくなっちゃった。除染は終わっている。周りの田んぼや畑を今盛んに除染しているところ。早く周りも除染が終わって解除になって環境整備を早くしてくれればいいなと思っています」

近藤さんが作品を生み出していた登り窯は壊され、レンガが山積みになっています。ふるさとを離れ、作品の多くを失いました。

近藤さん「地震で大分壊れたので、本当にこれは一部ですよ。すごい量がありましたから」

残った唯一の作業小屋は、近藤さんが働く場所でした。

近藤さん「当初はこれも壊して全部更地にしようかと考えたがもったいないなと思って、ここはとりあえずは制作の場だけを設けて私が一人いわきから通うと」

今後の活動は、「四倉」とここ「大堀」で両立していく考えです。

近藤さん「踏み出さないことには可能性がゼロだと思っている。踏み出すことによって、可能性は低くてもその可能性が出るのであればそれはやらなくてはいけないなと思っている。やっぱり先陣を切って戻るということは、道しるべにならないと後が続かない」