岡山市で4年ぶりに開かれている「岡山さくらカーニバル」。大勢の花見客で賑わっていますが、楽しい雰囲気を壊してしまうような光景が見られます。それは「会場に散らかるゴミ」です。景観を損なうだけでなく処分に費用もかかる…一部の人の残念な振る舞いです。

(佐藤大祐記者 リポート)「河川敷には、ごらんのようにたくさんのゴミが捨てられています」

けさ(4日)早く、食べ物の容器などが至るところに散乱していました。「岡山さくらカーニバル」の会場、旭川河川敷です。

4年ぶりの開催とあって、連日家族連れや仕事帰りの会社員など、大勢の人が夜桜を楽しんでいます。しかし朝になると…。
(佐藤大祐記者)「河川敷のそばにあるこちらの駐車場にも、ゴミが捨てられていました」
週末には、車の出入りを妨げるほどのゴミが捨てられていたといいます。一部の花見客のこうした行動に、地域の人は。

(地域住民)
「気分悪いね。きょうはちょっとマシだけどね」
ーこれでもマシなんですか?
「そうそうそう」
(地域住民)「市民が待ちに待ったイベントですから、残念ですね。本当に。残念というか、情けないというか」
こうした中、毎朝、実行委員会から依頼を受けた業者がゴミの回収を行っています。

(業者)「きのう一日のゴミです」
なぜ決められた場所に捨てないのでしょうか。今年は、その決められた場所がないというのです。
(花見客)「知らなかったです。ゴミ箱がないというのは」

実行委員会によりますと、前回まで会場内にゴミ箱を設置していましたが、中には「関係のない家庭ゴミ」を持ち込む人がいました。限られた予算の中、こうしたゴミまで処分するのは難しく、会場で出たごみも持ち帰ってもらえば経費削減にもつながるとして、今回は設置しないことにしたのです。

(花見客)「ゴミはこの中に入れて持って帰ります。常識的に持って帰るものだから」
「みんなの場所なので、みんなできれいなところで集まってパーティーみたいな感じで楽しみたいので、きれいにしていきたいです」

美しいサクラとは対照的な、ゴミの広がる光景。花見の一大イベントが4年ぶりに開催できた今こそ、改めて大切にしたい他者への配慮です。

【解説】
ゴミの回収を依頼されている業者によりますと、前回までは、週末の多い時で1日10トンのゴミを回収していて、約20万円の処分費用がかかっていたといいます。今回は多い時で1日1トン、費用は約2万円ということです。実行委員会では引き続き、ゴミを各自で持ち帰ってもらえるよう、会場で呼びかけを続けていきたいとしています。