3日に行われた日本体育大学の入学式で、レスリング女子53キロ級の藤波朱理(あかり、19)が、在学生代表として歓迎の辞を述べた。2年生となった藤波は「入学して、たった1年間とは思えないほど密度の濃い時間を過ごした。一人で抱え込まず仲間に相談してみてください」と新入生へアドバイスを送った。
公式戦116連勝中と無類の強さを誇り、レジェンド・吉田沙保里の無敗記録119連勝まであと3と迫っているが、決して順風満帆な1年ではなかった。去年9月の世界選手権を前に左足の負傷で無念の欠場。競技人生で一番の挫折を味わった藤波だが「競技や目標は異なっていても本学の仲間たちの頑張る姿が自分を奮い立たせてくれた」。大学生活で仲間に支えられた経験と共に「青春を謳歌していただきたい」と伝えた。
今後は、6月に行われる明治杯全日本選抜選手権で優勝し、9月の世界選手権(ベオグラード)で3位以内に入賞すれば、来年のパリ五輪の切符を手にする。式後、取材に応じた藤波は「パリ五輪に向けて一日一日を大切にしたい」と意気込んだ。
■藤波朱理(ふじなみ・あかり)
2003年11月11日生まれ。三重県出身。いなべ総合学園高校から2022年日本体育大学体育学部に入学。現在レスリング公式戦116連勝を更新中、吉田沙保里の119連勝に近づく。
【今後の日程】
4月9~14日アジア選手権
6月15~18日明治杯全日本選抜選手権
9月16~24日世界選手権