「原点は音楽の作り手を応援すること」 起業時からぶれない方針

「時代が追いついてきた」っていうナレーションもありましたけど、事業を始めたときは、世の中こういうふうにYouTubeとか個人が作るっていうのをもうわかってらっしゃったのですか?

(西尾周一郎社長)「いや、そこまで明確な予感めいたものはなかったんですけど、ただやっぱり動画が増えてきていましたので、その意味ではやっぱり『音楽が必要とされるシーンは増えるんじゃないか』という期待感はあったかなと思います」

そもそもどういう発想で? 楽曲を使う側ではなく、「ミュージシャンの方たちを助けよう」という発想で始まったそうですね。

(西尾周一郎社長)「元々は、私も音楽家になりたかった時期もあったりしましたので、その中でやっぱり自分も音楽家としてやっていったり、周りも音楽を作る人間たち、友達とかもたくさんいたんですけど、ただ音楽を作ってもそれは聞いてもらったりとか、例えば何かテレビとかで使っていただくとかが非常に難しいので、『出していく場を作れないかな』と思って着想したのがオーディオストックというサービスなので、どちらかというと顧客よりは最初、音楽家を起点に発案したサービスかなと思います」

音楽の作り手も、登録すれば気軽にアップロードできるわけですね?

(西尾周一郎社長)「そうですね。なので音楽を作る人と使う人をうまくインターネットでマッチングするといいますか、出会うことができればいいかなと思ってます」

登録している音楽クリエイターさんは何人ぐらいいるんですか?

(西尾周一郎社長)「今、2万8000組ぐらいのクリエイターさんに登録いただいています」

どうですか?クリエイターのみなさんの反響としては?

(西尾周一郎社長)「そうですね。やっぱり『稼げるようになった』とかっていうことが、SNSとかで最近書いてくださる方が増えてきたりとか。私どももその音楽家が稼げる収益を上げるための新しい場を提供したいと思いでやってますので、そういう意味では少しずつそういった場が、ちょっと実現できているのは手応えというか嬉しいなと思ってます」

会社が2007年に創業ですよね?今16年目になる。

(西尾周一郎社長)「そうですね、少しずつ社員も増えてきたりとか。例えば外部でいくとTikTokさんとの業務提携とかも実現したりですとか、少しずつ何かいろんなところでお使いいただけるようになってきて」

それだけニーズがあるということですよね。

(西尾周一郎社長)「そうですね。やっぱり動画を作るシーンが、YouTubeとかも含めて非常に増えてるのかなと感じてます」

岸田政権も、今スタートアップにすごく力を入れてますけど、大学時代に起業された、最初はやっぱうまくいったんですか?

(西尾周一郎社長)「いや全然。もうまったく苦労の連続でした。就職してから起業される方とかは、多分ビジネスの経験とかあったりする方も多いと思うんですけども、私自身はその学生時代に起業してしまったので、起業自体も初めてですし、ビジネス経験もなかったので、そういう意味で非常に苦労しました。いろんな方にご迷惑をおかけしながら学んだかなという気がしてます」

スタートアップで成功する秘訣って何ですか?

(西尾周一郎社長)「どうなんですかね。私も全然成功するというレベルでもないので、ただやっぱりやりたいことがすごく明確に『音楽に関わることをしたい』ってのがあったので、苦しいときも諦めずにというか、心折れずに今までやることができているのは、やっぱそういったやりたいことっていうのが明確にあったからかなと思ってます」

スタートアップってやっぱり新事業ですから、その思い、好きっていう思いも、ものすごく大事になってくるわけですね。

(西尾周一郎社長)「そうですね。やっぱり最初に起業した当初の事業はうまくいかなくて失敗しまして、次の事業で始めたのがオーディオストックの形なので、なかなかやっぱりいきなり成功するのは難しいかなとは思います」