この春、岐阜県高山市を卒業した高校生たち。彼らが高校に入学したのは、まさにコロナ禍が始まった3年前の春。学校や部活の行事が軒並み中止となった中、最後に、“最高の思い出を作ろう”と、イベントの立ち上げに挑んだ11人の姿を追いました。

「卒業アルバム見て、知らん人おった…」思い描いた高校生活は送れず

3月21日、岐阜県高山市で行われた、沖縄出身のロックバンド「かりゆし58」のライブ「MAP’04~この町で出会えた運命を繋ぐ時間~」。

イベントをゼロから企画をしたのは、この春卒業した11人の高校生。

彼らが入学したのは2020年の4月。

新型コロナによる最初の緊急事態宣言が出されたときでした。

実行委員会 田中陽貴さん(18)
「学校の行事、文化祭とか体育祭が中止になることがあって、みんなで青春を感じる機会があんまりなくて」

実行委員会 渡邊康平さん(18)
「部活も急に大会がなくなったりとか、思い描いた通りの高校生活は送れなかった

実行委員会 志多悠来さん(18)
「(卒業)アルバム見て、知らん人おった。(マスクのない)個人写真を見て、この人誰?って」

新型コロナで高校は休校に。新しい友達ができない中、中学校の同級生が集まったことが、このイベントのきっかけでした。

実行委員会 小林利桜さん(18)
「今の高3の人たちって、もう地元を離れる人がほとんど。友達と最高の思い出を作れればいいかなって思ってます」

地元への熱い想いをイベントに込める

彼らが出演をオファーしたのは「かりゆし58」。オファーを決めた、実行委員会メンバーの志多悠来さんは…

実行委員会 志多悠来さん(18)
「かりゆしさんの曲って、地元に対する熱い気持ちが伝わってきて、私たちの活動、想いとリンクしていると思って」

イベントの開催費用は、地元企業の協賛金や、クラウドファンディングで調達。彼らの想いに周囲の大人たちが賛同してくれました。

地元の人
「高山の高校生が頑張るのはいいことだと思うので、高校生にここまでのことができるっていうのが素晴らしいと思う」
「このコロナ禍で、学生の皆さんが寂しい思いをしているのは感じていたので、こういう企画はすごくうれしい」