通信アプリ大手の「LINE」と金融大手の「みずほフィナンシャルグループ」は、共同で新銀行を設立するプロジェクトを中止すると発表しました。今回なぜ、断念したのか。その理由についてスタジオで詳しく見ていきます。

背景に経営統合による状況の変化も含まれるか

熊崎風斗キャスター:
「LINE」と「みずほ」は元々どういうサービスを目指していたのか。
実店舗を持たない、それからアプリで銀行サービスが完結できるというものでした。つまり、スマートフォン1台あれば、キャッシュレス決済や借入サービスなどが行えるサービスが提供となると、非常に便利になるというものでした。では、なぜ断念に至ったのでしょうか?

「LINE」と「みずほ」は2018年にプロジェクトを発表しました。そして2020年の開業を目指していましたが、システム開発が難航し、大幅に延期を余儀なくされました。この間、取り巻く状況というのが大きく変わっていきました。
ネット銀行が普及してきたのです。手数料などを巡る競争が激化し、システムを開発して実際に世に送り出したとしても、元々狙っていたメリットを享受しきることは難しいのではないかという判断になったということです。

それから、こんな理由もあるのではないかとTBSテレビ経済部の片山薫デスクは話しています。「システムの開発途上で今回中止になっていたLINEがZホールディングスと経営統合を果たしました。グループ内には既に『PayPay銀行』が存在していますので、『タッグを組む銀行は1つでいい』という判断になったのではないか」と見ています。経営統合による状況の変化というのも、プロジェクト中止の背景になったのではないかということです。

井上貴博キャスター:
2018年に考えていたことが、たった5年で時代と合わなくなる。いかに激変している業界かということなのかもしれません。