親子2代に渡り続いた教団側とのつながり
その中の自民党・三原朝雄元議員について、国際勝共連合のかつての幹部から重要な証言を得た。

三原氏は、1970年代に防衛庁長官などを務め、“国防族のドン”と言われた人物だ。

国際勝共連合 元幹部
「とにかく三原朝雄を抱えていかなくちゃいけないとなって、それで三原朝雄さんの選挙(支援)をやり始めたわけですよ。当然、三原事務所には信者の秘書を入れて活動していた。三原朝雄さんは岸(信介)さんと同じように、もう保守という意味では一貫していたから。信用できたってことじゃないですか」
安倍元総理の祖父・岸信介元総理と共に三原氏が力を入れていたのが、スパイ防止法の制定だ。
国際勝共連合は、三原氏の選挙の際に10人以上の信者を手伝いに行かせ、勝共連合が推進するスパイ防止法の制定運動に尽力してもらえるように支援していたという。
強固な関係は、三原氏の息子にも受け継がれていく。

おととしまで衆院議員だった三原朝彦氏が、撮影しないという条件で取材に応じた。朝彦氏は、父・朝雄氏が日本統一教会の会長だった梶栗玄太郎氏と古くからの付き合いで、その縁で、国際勝共連合の梶栗正義会長と関係があったことを認めた。
三原朝彦元衆院議員
「梶栗玄太郎さんと、うちの父は中学からの古い付き合い。その後、(息子の)梶栗正義さんが『朝雄さんに紹介されました』と言って、事務所に来ていた。選挙になると、世界平和連合の女性が4~5人来て、『三原をお願いします』とずっと電話かけをしてくれていた」
だが、朝彦氏は、「選挙支援を受けて、教団のために活動したことはない」と断言した。

ただ、関係性はその後も続き、おととし衆議院議員会館で開かれた「日本・世界平和議員連合懇談会」に参加。隣に写っているのは、梶栗正義会長だ。父と息子が40年以上に渡り、選挙支援など教団との強固な関係を持ち続けた。
親子共々、旧統一教会と関わりがあったのは三原氏だけではない。
自民党・保岡興治元法務大臣と、長男・保岡宏武衆院議員。
2013年、日本統一教会の元会長・梶栗玄太郎氏を偲ぶ会に出席し、スピーチした父・興治氏。教祖の文鮮明氏が亡くなる直前に梶栗氏と会いに行ったエピソードを話した。

保岡興治元法務大臣
「実はこの(2012年)9月に私、韓国に参りまして、文鮮明先生のご生体に接しまして、最後のご挨拶を申し上げたんですけれども、世界的な平和主義者であった文鮮明氏の本当にお別れの会に(梶栗氏が)ご出席をされまして、私もご案内いただいて、そのときの姿が今でも目に浮かびます」

そして、興治氏の長男・宏武衆院議員も、自民党の点検に「関連団体の会合に出席」したと回答している。
報道特集が宏武の事務所に、教団との関係について取材すると、「自民党の調査で答えたとおりです」と答えた。
三原氏・保岡氏と、親子2代に渡り続いた教団側とのつながり。旧統一教会の手法は、親から子へ支援体制を続けることだけではない。国政に出る前の地方から接近を始めるのだ。