岡山県津山市の町並み保存地区に、市内に1館も無かった映画館と複数の宿泊施設が完成しました。仕掛け人は、地元で町おこしに奮闘する男性です。アートを軸に「津山市を世界的な観光地にする」との壮大な夢を描き、ユニークな発想でチャレンジを続けています。

江戸情緒の残る城下町の一角に「映画館」現る!

津山市の城東地区。江戸から明治にかけての貴重な建物が軒を連ねる重要伝統的建造物群保存地区です。この一角に姿を現したのが…映画館です。

全20席のミニシアターで、上映されるのは津山ゆかりの作品。「十六夜の月子(いざよいのつきこ)」や「ホルモン女」などを予定しています。

(津山街デザイン創造研究所 山本昇 所長)
「『十六夜の月子』と『ホルモン女』は、この城東地区をメインとしてロケをした映画ですから、2種類の違った角度で城東を見ていただくことで、津山をより深く知ってもらうための映画を楽しんでいただきたい」

新たにオープンする映画館は、津山観光にも彩りを添えてくれそうです。

(鳥取からの観光客)「シアターができることで、より津山のことを深く知ることができたり、津山に関心のある人が集まるという意味ではいいと思いました」

映画館のスクリーンの裏では思わぬ光景が!

ちなみにスクリーンの裏側では…。

「エイッ!!」

もともと空手道場として使われていた蔵の一部を改装したため、施設では空手教室も行われています。稽古に励む地元の親子も、映画館のオープンを心待ちにしています。

(空手教室の生徒)「ワクワクするぐらい楽しみ」

仕掛け人が思い描く「壮大な夢」とはー

この映画館の設立を企画した山本所長は、「壮大な夢」を描いています。

(津山街デザイン創造研究所 山本昇 所長)「津山の城東地区を全国的、世界的な観光地にしたい」

高校時代に、京都から津山高校に転校した山本所長。大学進学までの2年間、津山の街で青春を謳歌していました。しかし…。

(津山街デザイン創造研究所 山本昇 所長)「50年後に津山に戻ってきたら、見る影もなく寂れてしまって、全然違う街になっていた。そこで、『何とかしないといけない』と思い、有志を集めて2018年に “津山街デザイン創造研究所” という、町おこし団体を作ったんです」