浪曲と田中角栄元総理の“関係”

【玉川太福さん】
「田中角栄さんが幼い頃に『吃音を浪曲で克服した』というエピソードが結構広まっていて…。浪曲の中でも、うちの一門の『天保水滸伝』というものを特に好んで唸ってらしたと」

田中角栄 心をつかむ3分間スピーチ(小林吉弥 著・ビジネス社)

オペラ『ザ・スピーチ』には原作となった本があります。
『田中角栄 心をつかむ3分間スピーチ』です。

聞く人を虜にし大衆の心を掴んで離さなかった“角栄節”の極意が、この本にまとめられています。それは「第一声と間の取り方」や「ユーモア」と「明るさ」と―。

【田中角栄元総理の講演より】
「私が…、田中角栄でございます」

「えぇ…1年半ばかり前は、だいぶ週刊誌等で評判が悪かったんですが、この前の選挙で22万票という大量得票をやりましたら、その日から、日々人気上昇中というのが私でございます」

田中元総理のスピーチ術は、浪曲から学んだと言われています。
そして、「夢」で聴衆の心を掴み、圧倒的な迫力で強烈なメッセージを放ちます。

【田中角栄元総理の講演より】
「上には上があるなぁ。こう思ったわけであります」

「お前ら東京から南魚沼へ出稼ぎだ!それが政策の目標だ!」
「私は政策をもって応える!」

「政治は政党のものではないんです。国民のものなんです」

「全日本が均等な政治の恩恵を受けられるようにしなければならんというのが、政治の基本であります」

太福さんは元総理の動画を繰り返し見て、口調や話すスピード、間の取り方などを研究したそうです。

【浪曲師 玉川太福さん】
「非常に勉強家で、多分説得力を持つようなお話の仕方ってのは非常に研究されてるんだろうと思うんだけど、面白い、本当に“芸”。笑わせるのが本当に抜群」