多くの情報提供も“有力情報”なく…

去年12月末までに、新潟県警には県内外からおよそ930件の情報が寄せられています。しかし、有力な情報は入ってきていません。

さらなる情報提供を呼び掛けるため、県警は7年ぶりに新たな広報動画を制作。ドローンの映像やアナウンサーのリポートなどを盛り込み、男の足取りや位置関係が分かるものになっています。

未解決事件を担当している捜査一課 特命捜査室の安達治男係長は、事件発生時、パトロール中に無線が入り、現場に急行したといいます。

【新潟県警本部 捜査一課 特命捜査室 安達治男係長】
「事件の重大さというのが無線を通じても伝わってくる。悲惨な状況が伝わってくる。(犯人は)今も空の下で、のうのうと生活しているわけである。私たちは絶対検挙致します。絶対に逃げられません。これからも捜査をしていくので、(犯人に)分かっていただきたい」

【三洋タクシー 伊藤稔さん】
「犯人に対しては憤り以外のなにものでもないんですが、少しでも良心があれば自ら出頭していただきたいと」

そして、まもなく県警を去る元捜査員の中俣さんは、防犯カメラに映った男の足取りを辿りながら、今も逃げ続けている犯人にこう語りかけます。

【新潟県警本部 元・捜査一課 刑事 中俣進さん】「犯人もその時から時間が止まっています。多分悔いていると思います。ぜひ、自ら名乗りをあげて出てきていただきたいというのと、このまま一生、それを背負って生きていくよりは、しっかりと清算をしていただければと思っています」

タクシーという密室で、何の罪もない男性に降りかかった悲劇。遺族や同僚らが抱え続けている無念を晴らすため、警察は何年経とうとも、”あなた”を追い続けています。

県警が懸念しているのは事件の風化です。遺族や同僚、“繋がっていた人たち”というのは、あのときのまま、時間が止まっています。警察も事件解決に向けて追い続けていますが、私たちも決してこの事件を忘れてはならないんだと強く感じさせられました。

この事件の広報動画はYouTubeや新潟県警のホームページで公開されています。「この人に似ているかも」と心当たりがある方は、どんな些細な情報でもかまいません。タクシー運転手強盗殺人事件捜査本部の専用ダイヤル【0120-39-1105】に連絡をお願いします。