「非常に難しい事件だな…」元捜査員が語る事件

【新潟県警本部 元・捜査一課 刑事 中俣進さん】
「前輪を縁石に左前を乗せるような形で停止していました。タクシーの安全性が脅かされた、非常に難しい事件だなというような雰囲気はありましたけども」

当時、新潟県警察本部の捜査一課・強行犯係としてこの事件の捜査にあたった中俣進さん(60歳)です。

三洋タクシーの運転手だった阿部次男さんが被害に…

事件があったのは2009年11月1日、雨が降りしきる夜でした。新潟市東区空港西の路上で、三洋タクシーの運転手・阿部次男さん(当時63歳)が何者かに首などを刺されて殺害され、売上金が奪われたのです。

発見された時、ハザードランプは点滅し、料金メーターは「支払い」と表示されたままでした。事件現場は当時、街灯も少なく、夜になると人通りもほぼなかったそうです。

【新潟県警本部 元・捜査一課 刑事 中俣進さん】
「犯行から110番に至るまでの時間的な遅れはあったかもしれません。ただ、それはやはり交通量が少ない、逆に言わせれば、犯人がこういうところを選んだかもしれない」

中俣さんは発生当時、被害者班を担当し、阿部さんの評判や交友関係など身辺捜査に従事。深夜に及ぶことも度々でした。13年のうち8年間、捜査にあたりましたが、解決を見届けることなく、3月末で県警を退きます。

3月31日付で新潟県警から退く中俣進さん

【新潟県警本部 元・捜査一課 刑事 中俣進さん】
「捜査一課の課長として戻ってきたときは、『どうしてもこの事件は私がいるときに発生したので、絶対解決してやりたいんだ』という思いはありましたが、私もまもなく退職で、あとは後輩に託すしかない」