「吉田さん」はケガで、もう飛べない
米子水鳥公園 桐原佳介 統括指導員
「2011年に島根県安来市で、ケガをして飛べなくなったコハクチョウが吉田川に残っているというブログ記事を見つけて、発見された吉田川にちなんで、吉田さんと呼んでいます。左の翼のところを骨折したようで、骨折した状態で、変な形で骨がくっついてしまったので、傷は癒えているようですが、正常に羽ばたけません」

コハクチョウの「吉田さん」は、10年以上前、越冬のため日本にやってきましたが、滞在中に左の翼にケガを負い、飛ぶことができなくなり、故郷シベリアへ帰ることができなくなってしまったのです。
「吉田さん」は普段、島根県安来市内の水辺で過ごしているそうですが、なぜか毎年3月下旬ごろになると、泳ぎと徒歩で県境を越え、鳥取県米子市の米子水鳥公園へやって来るのだといいます。

米子水鳥公園 桐原佳介 統括指導員
「中海を泳いで水鳥公園までやって来まして、水鳥公園を囲む堤防を乗り越えて、葦原をかき分けて、水鳥公園の池の中に入ってきて、ひと月半ほど過ごすというのがいつもの流れになっています」
なぜ春に合わせて、わざわざ危険を冒してやって来るのか。桐原指導員はこう推測します。