「彼らのことは馬鹿な告げ口野郎だと思っています」

元々オレシャさんが自宅軟禁されたのは大学の同級生が彼女の行動を当局に
密告したからだと言われています。友人からのいわば裏切りのような形から始まった今回の出来事についてどう思うか聞くと…

オレシャ・クリブツォワさん(20)
「私の大学の場合は無関心の人が一番多いです。二番目に多いのはウクライナ侵攻の支持者で、戦争反対派は残念ながら三番目です。大学の同じ学年の人たちが(私のSNSの投稿を)密告したいということを考えていることを知っていたので今回のことは予想することはできました」

驚いたのは友人だけでなく、大学の教授や幹部たちまでが彼女を陥れるように当局に証言していたことでした。

オレシャ・クリブツォワさん(20)
「当局に証言する教師もいますし、勉強は順調だったのに内容の悪い内申を
当局に提出した大学幹部の人もいます。彼らのことは馬鹿な告げ口野郎だと
思っています。彼らのせいで私は家を失い、家族と一緒にいられなくなり
社会的弱者になったのです」

いまだに話すのが怖い…

彼女はすでに結婚していますが、夫は母親とともにロシアに残して脱出しました。残された家族には当局から脅迫のメッセージが送られてきていましたが、これを当局の無力感の表明だと家族は受け止めているといいます。しかし今回、ロシアにいながらウクライナ侵攻を非難したことに後悔はあるか聞くと、少し表情をゆがめ苦しさと、いまだに残るロシアへの恐怖を話してくれました。

オレシャ・クリブツォワさん(20)
「これはつらい質問ですね。大きな代償を払っているから。母や家族のほかの人にかけた心配と、ロシアの自分の家を失ったこと、繋がっていた人をロシアに残したことです。名前を明らかに出来ませんがロシアには友達や支援してくれる仲間がたくさんいるし連絡は取り合っています。反戦活動をした人は多かったですが、みんな国外に脱出せざるを得なくなりました。今は私がこのような状況になったこともあって声を上げるのはなかなか難しい状況です。私はロシア国外にいるのにこんな話をするのが怖いのはやはりロシア連邦による影響。私が願うのはウラジミール・プーチンが辞めること。今のロシアは存在してはならないということ。また刑事事件を起こされたらいやなので…本当に嫌です…なのでこれくらいにしておきます…」

(BS-TBS報道1930 3月22日放送)