5月9日に迫っているのが、ロシアの対ドイツ戦勝記念日。ロシア国内各地で軍事パレードなどが予定されています。そうした準備が進む中、4日に行われたリハーサルに参加したある飛行機が注目されています。それは「終末の日の飛行機」と呼ばれるもので、核戦争などの非常時に、大統領が乗る飛行機とされています。この飛行機が軍事パレードに参加することはとても珍しいそうで、専門家は「ロシアは核戦争も辞さない」ことをアピールする狙いもあるのでは、とみています。その他、ロシアで相次ぐ「富豪の謎の死」などについてなど、専門家にききました。

■「核戦争も辞さない」アピールか

熊崎風斗キャスター:
5月9日、対ドイツ戦勝記念日が迫ってきています。その中で5月4日、モスクワでリハーサルが行われました。28の都市で軍事パレードを開催予定ということです。参加者は、全国で6万5000人以上。武器、装備品は約2400種類、航空機は460機以上と地元メディアは報じています。

4日のリハーサルで注目されたのが、「イリューシン80」と呼ばれる飛行機です。“終末の日の飛行機”とも呼ばれています。核戦争などの非常時、大統領らがこれに乗って指揮を執るというものなんだそうです。

外交・安全保障政策に詳しい明海大学の小谷教授によりますと「イリューシン80が軍事パレードに参加することは非常に珍しい。『核戦争も辞さない』とアピールする狙いがあるのではないか」とみています。

この戦勝記念日にまつわる様々な発言をまとめています。

ロシアのペスコフ大統領報道官は、「外国の首脳を招待していない」そして、「5月9日対独戦勝記念日に戦争状態を宣言する」と欧米メディアが報じていることについて「確率はゼロだ。馬鹿げている」とも伝えています。

そしてもう1つ。親ロシア派の武装勢力ドネツク人民共和国トップのプシーリン氏は、「パレードは我々が最終的な勝利を収め、共和国が憲法上の国境に到達した後に行うという難しい決断をした」つまり、5月9日の戦勝記念パレードを行わないと表明したということです。

井上貴博キャスター:
メイさんに伺います。出口が全く見えない状況が続いてますが、どんなことを感じていますか?

パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
この軍事パレードについては、ロシア全土だけではなく世界中が注目してますよね。何を言うのかが私も非常に気がかりですけど、多分5つあるんじゃないのかなと。

まず1つ目が、やっぱり過去の栄光をもう1回愛国心を揺さぶるためにあげると。

2つ目が、自分のアピールもするんじゃないのかなと。やっぱり、私が決めているから間違いないよ、安心してくださいみたいなとこですよね。

3つ目が、何らかの成果はアピールするんじゃないのかな。ドネツク州か分かりませんけど、何かは言うと思います。勝利宣言まではできないにしても、何か成果はあると思います。

4つ目が、多分西側の批判だと思います。

5つ目が、やっぱり経済について何かを言うのかなと。これだけ制裁があると、一般の人たちも西側のブランドが引いたりなどあるので、「これは私が悪くない、周りが悪いんだ、西側が悪いんだ」みたいなことを言うと僕は思います。

井上キャスター:
畔蒜さん、まさにメイさんがおっしゃったところ、西側中心のこの世界がおかしいんだ、自分たちロシアが中心となって行きたいんだ、根底にプーチン大統領はやはりそこがある、変わってないですね。

笹川平和財団主任研究員 畔蒜泰助さん:
そうですね。ロシアにとってこのウクライナ戦争は、ロシアの世界、ルースキー・ミールをウクライナにも拡大するんだということをそもそも目的としてやってますので、そこは一貫して今回の戦勝記念日でも何らかアピールをするんだと思いますね。

井上キャスター:
この戦勝記念日は、西側の見方だと、軍事作戦ではなく宣戦布告をするのではないかと伝えられていた。でも今実際にロシアがそれを否定している、ここの経緯はどうご覧になりますか?

笹川平和財団主任研究員 畔蒜泰助さん:
これ言ってみたら、勝利宣言ができないという状況の中で、要するに今までの戦争の、ロシアの東部の人たちを救済する、そのための特別軍事オペレーションだ、というところからロジックを変えて、改めて今回の対独戦勝記念日に意味を与える可能性があると西側は考えていたわけですけども、どうやらそうではないということです。だとすると、改めて5月9日にこの特別軍事作戦のロジックを確認することになると思いますね。

■ロシア富豪またも“謎の死”

熊崎キャスター:
もう1つ、見ていきたいのは謎の死についてです。

ロシアの富豪が相次いで亡くなっています。5月1日、自宅バルコニーで亡くなっているのを妻が発見したのは、35店舗以上展開する人気レストランチェーンの共同創業者です。
・頭に銃で撃たれた傷
・隣には本人の銃
・2022年2月、新規ビジネスを始めたばかり
ということですが、自殺の可能性と地元警察は見ています。

他にも、プーチン大統領を支える新興財閥「オリガルヒ」など、ウクライナ侵攻以降少なくとも5人が謎の死を遂げているということです。

井上キャスター:
考え方としては、ロシアの現政権に対して批判的なことを言った人間は、このように不都合なものには蓋をされるという考え方なんでしょうか?

笹川平和財団主任研究員 畔蒜泰助さん:
もう1つあると思うのは、今、ロシア全体で大きなお金の流れがやっぱり細ってるんだと思うんですよね。そういう中で言ってみたら、中小企業とかビジネスマンはそれなりに政府に、自分を守ってくれる人を必ず持っているわけです。特にそれは治安機関の人の勢力だったりが多いわけですが、その人たちとの関係が崩れてきているその表れとして、今このような現象が起こっている可能性があると思います。

井上キャスター:
1つの要素として経済制裁が効いていることに連動した動きというふうにもとれるわけですか?

笹川平和財団主任研究員 畔蒜泰助さん:
大きな流れで言えば、徐々にやはりお金の流れが細っているんじゃないかと思うんですよね。