無罪求める9万筆以上の署名 出産経験者「命がけの弔いだった」
リンさんの行為が罪に問われるのは「理不尽」。無罪判決を求める署名は約9万5000筆に上り、出産を経験した女性たちも声をあげた。弁護側は最高裁に対し出産経験者ら127人の意見書を提出した。熊本に住む坂本春香さん(31)もその一人だ。
「私が同じ立場だったらリンさんがしたような弔いはできなかったと思う」(坂本さん)
2021年、娘を出産。初めての育児に追われる中、裁判を知った。自分は無事に出産できた一方、リンさんは死産し罪に問われていた。「その差はどこで生まれたのか」。意見書には、妊娠中つわりで苦しんだこと、産後の病院で飲食もままならず思うように起き上がれなかったこと、ホルモンバランスの急激な変化で孤独を感じたこと等をつづった。
「自分の経験から、リンさんは文字通り命がけで“弔い”を行ったと思います。その行為が“社会の課題”としてと捉えられず“個人の責任”と結論付けられるのは、あまりに理不尽です」(坂本さん)
「孤立出産は外国人実習生だけの問題ではない」。こう語るのは、親が育てられない子どもを匿名で預かる「赤ちゃんポスト」を設置する慈恵病院(熊本市)の院長だ。
「虐待やDVの被害者など、望まない妊娠により病院を受診しないまま、孤立出産にいたる女性もいます。“弱い立場”の人たちです。リンさんのした行為が罪に問われれば、多くの孤立出産で死産したケースも犯罪とみなされかねません」(蓮田健院長)














