「ロシア人に戦争の真実を伝える」。国際的なハッカー集団「アノニマス 」グループのリーダーがJNN の取材に応じました。ロシア市民“全員”の連絡先をハッキングで入手しウェブで公開したと証言。さらにロシア人とやり取りしたというアメリカ在住の男性がその内容を明かしました。
■ロシアが情報規制する中「戦争についての真実を伝える」
ロシアによる侵攻が続く中、JNNの取材に応じたのは、国際的なハッカー集団「アノニマス」グループのリーダーです。彼が着目するのは、ロシアの情報規制です。

アノニマスグループ「スクワッド303」リーダー
「我々の活動は非暴力による情報活動だ。戦争についての真実を伝えることに集中している」

その言葉を裏付けるように2022年3月、ロシア国営放送の画面が突然、攻撃を受けるウクライナの街の映像に切り替わりました。

画面に表示されたのは…
「ロシア人はウクライナ人の大量虐殺に対して反対デモを行って下さい」

■“全ロシア市民”の連絡先をハッキング
「アノニマス」は、ロシア政府などに対して、サイバー攻撃を仕掛けているとされ、私たちの取材に「ロシア市民、ほぼ全員の連絡先をハッキングにより入手した」と明かしました。
アノニマス・リーダー
「(ロシア政府から)1億件以上の携帯電話番号と、約2億件のメールアドレスを収集した」

リーダーは、ロシア市民に正しい情報を与えることが目的だと主張します。
萩原豊記者
「こちらは、スクワッド303のウェブサイト。SMS、eメール、電話とあるが、ここから、ロシアの人々にメッセージを送るための情報を得ることができるようになっています」

このグループは、誰でもロシア市民に情報を送ることができるよう、メールアドレスなどをランダムに表示するウェブサイトを公開。
欧米メディアが報じるウクライナ侵攻に関する情報をこれまでに1億件以上、送信したといいます。
■「真実は力」個人的にロシア市民にメールする男性
アメリカ・オレゴン州に住むクロフォードさんは、このウェブサイトのアドレスを使って、実際にロシア市民に7000件以上のメールを送りました。

ロシア市民との間でこんなやりとりもしたといいます。
クロフォードさん
「ロシア軍は民間人を殺害しています。ウクライナにナチスはいません」

ロシア市民
「だから何?私にとってはどうでもいい。関係ないよ」
クロフォードさん
「罪のない人々が死んでいるのです。
ロシア市民
「私は気にしない」

クロフォードさん
「私たちが知っている通り、真実は力です。これからも、もっと多くの努力が必要だと思います。これは始まりに過ぎないのです」

サイバー空間で繰り広げられる情報戦。「アノニマス」グループのリーダーによると、グループのサーバーは、ロシア側から継続的に、サイバー攻撃を受けているということです。