12年前の震災で、福島県から宮城県に避難したにもかかわらず、今もふるさとの踊りの練習を続ける大学生の女性がいます。なぜ女性は踊りの保存活動に取り組むのでしょうか。渡辺紗彩カメラマンのリポートです。

故郷の「田植踊」を継承する22歳の女性

今年2月、福島県浪江町の請戸地区で、伝統の田植踊が披露されていました。

野ざらしのこの場所は、かつて地域の人たちに親しまれた神社でした。震災の津波で神社がなくなっても地域の人たちが受け継いできたのが田植踊です。

「ここで踊るとすがすがしい気持ちになりますね」

松本理奈さん。踊りの伝統を受け継ぐ22歳です。

漁業が盛んだった請戸地区。東日本大震災の津波と原発の事故の影響で、壊滅的な被害を受けました。

震災前、地域の人たちがもっとも楽しみにしていたのが田植踊が披露される安波祭でした。

しかし、会場の神社は津波で流され、今は仮の社が置かれているだけです。住民は避難を余儀なくされこの地区を離れました。松本理奈さんも、その一人です。