「公共性見直すいい機会」値上げの意味を考える

若新雄純 慶応大学特任准教授:
ようやく時間帯によって金額を変えることを、公共交通機関も始められるようになったのかと感慨深い。
電子マネーを使う人が多いですから、定期だけじゃなくて、自動的に混む時間は高く、そうじゃない時間は安くということもできると思う。

今まで公共交通機関の考え方で、同じ期間、同じ電車に乗って、同じ分だけ移動したのに人によって金額が違うってどういうこと?っていう疑問があった。

移動すること自体は一緒でも、人によって、その経験に値する価値って変わる。ものすごく急いでる人、どうしてもそれに乗っていかなきゃいけない人、それに乗れたら稼げるっていう人は、少々高くてもいい。
急いではいないけれども、そんなにお金があるわけじゃないという人にとっては安くてもいいと思う。

公共性というのは、みんなが全く平等で、同じモノを同じ金額で、ということではなくて。払える人は払ってもいいし、苦しい人は安くしていくってことで、みんなで共に生きるっていう社会の状態を作ることが本当の公共性・公平性だと思う。
技術を使って、払える人は払う、まけてもらいたい人はまけてもらえるっていう社会をどんどん作っていく。公共のあり方を見直すいい機会だと思います。