金融危機の恐れは?日本への影響は…

小川キャスター:
まだ可視化されていないリスクがあるとすると、日本の銀行は大丈夫なのか。

後藤氏:
日本の銀行に関しては、クレディ・スイスやシリコンバレーバンクのようなリスクを取ったやり方はなく、基本的に財務健全性が高いので、日本の銀行で取り付け騒ぎが起こるといったような可能性は今のところ低いかなと思います。

小川キャスター:
今後、世界的な金融不安というのを解消するためには、何がポイントになりますか?

後藤氏:
金融政策、金利が重要かなというふうに思います。この1年ほど利上げのニュースが非常に多かったかと思うんですが、記録的なインフレがあり、これを抑えるための「インフレ対策」として、必死に利上げをしてきました。

また、「金融システムの安定」というのは、つい一週間ほど前まではほとんど気にしなくていいぐらいの感じでした。ところがシリコンバレーバンクをきっかけに金融システムの安定が揺らぎ始めたんです。
中央銀行としては、インフレも退治しなきゃいけないけれども、金融システムも大事なんです。
金融システムを守ろうと思うとあまり利上げできない、場合によっては利下げしないといけない。こういう難しいジレンマになってきていて、どちらに重きを置くのかっていうのが問われているというような状況です。

山本恵里伽キャスター:
利上げなのか利下げなのかという判断、非常に注目されています。判断が注目されたヨーロッパ中央銀行で動きがありました。
ECBヨーロッパ中央銀行は16日、理事会を開き、政策金利を予告通り0.5%引き上げると発表しました。これで主要政策金利は3.5%となります。
スイス金融大手のクレディ・スイスの経営不安を受けて、引き上げ幅を縮小するのではないかという見方もありましたが、ECBはインフレ対策を優先させた格好です。