“この街で出産できない”糸魚川市の実情
【保護者】
「糸魚川はもうお産もできないでしょ、産婦人科がダメで。糸魚川で産んでもいいというのができればいいんですけど」

糸魚川市内で、唯一分娩ができる病院だった糸魚川総合病院が、先月いっぱいで分娩の受け入れを休止したのです。

まもなく出産予定だという女性は、福島から里帰りで出産しようと考えていましたが、今は隣の上越市の病院まで、車で1時間かけて通っています。

【母親】
「今まで近かった病院だったので、産婦人科で出産できないとなると、これから妊娠を考える人たちも大変でしょうし、産み控える人も出てくるんじゃないでしょうかね」
分娩を休止する理由は… 難しい産科医の確保
分娩を休止することになった理由を病院側に尋ねました。

【糸魚川総合病院 山岸文範病院長】
「富山大学から『分娩取り扱いができなくなるかもしれませんよ』という話は1年以上前に伺っていた」

これまで2人の産科医がいましたが、今月末で1人が定年退職を迎え、もう1人は派遣元の富山大学附属病院へ戻ることになったのです。病院は1年以上前から市や県と連係して医師の確保に奔走してきましたが、面接にも至らなかったといいます。