全校生徒14人の栄中学校では、5年前から、村を元気にするために自分たちができることを考える「さかえふるさと塾」という総合学習を取り入れています。

生徒たちは、一人ひとりテーマを設定し、タブレット端末で情報を集めたり、先生や地域の人のアドバイスを受けながら3年間かけて形にします。

(栄中学の生徒)
「僕はPR動画を作っています。一番は栄村に興味を持ってもらって、実際にどんなところか来てもらったらいいなと」「私はおつまみのレシピを考えたい。若い人がいないので20代の人をテーマに」

この活動から、今年ある人気商品が生まれました。

(南雲心結(なぐもみゆう)さん)
「これが私の作った商品です」

こんがり焼けたフランスパンに、たっぷりかかったトマトペースト。

アクセントのガーリックチップが、後をひくトマト味のラスクです。


3年生の南雲心結(なぐもみゆう)さんがふるさと塾の時間に企画し、給食のパンをつくっている隣の新潟・津南町(つなんまち)の製菓店が協力して開発しました。

今年1月の発売直後から、「トマトの酸味がいい!」「おつまみにぴったり」と人気が広がり、瞬く間に品切れ状態に。

(津南町・松屋 福原歩専務)
「おかげさまですごく売れていて欠品が続いていて、うれしい悲鳴です」

若い人にも栄村のトマトのおいしさを知ってほしいと、ラスク作りをテーマに掲げて2年。

試作を重ね、マツヤの福原さんのアドバイスを受けながら、完成させました。

(福原専務)
「長いスパンで、生徒さんが自発的に自分で考えて地域のためにとその取り組みが素晴らしい。少しでも力になれればとやらせていただきました」
(南雲心結さん)
「今はトマト農家が1件しかないんですけど、そういうとこを広める部分ではいいと思う。村の名物、今後も続いていくってなってほしいなと思います」

存続の危機を乗り越え、農家の宮川さんがつないだ特産のトマトが、若い世代を通じてさらなる広がりを見せています。