入院先の病院は停電・断水 余震も続く中で出産

歓汰くんは、母親の由梨さん(39)が出産のため里帰りしていた宮城県仙台市の病院で震災直後に生まれました。震災で、宮城県では8万棟余りの建物が全壊。空港が浸水するなど津波の被害も甚大で、1万人以上が犠牲となりました。仕事の都合で大阪に残っていた父親の泰行さん(40)は、連絡もつかず途方に暮れたといいます。
(増川泰行さん)
「産まれているのか産まれていないのかということよりも、生きているのか生きていないのかの方が大きかったですかね。情報がなさすぎて、ずっと祈るだけという、無力な感じでした」

由梨さんが入院していた病院も震災直後から停電、そして断水。余震も続いていました。
(増川由梨さん 2011年)
「ベッドにしがみついて耐えていたんですよ。でも、ベッドにタイヤがついているから動いたりして」
そんな状況の中、翌12日の午前2時40分、懐中電灯の灯りを頼りに歓汰くんは誕生しました。3700gの大きな赤ちゃんでした。














