■温泉が不便から楽しいへ バリアフリー最先端ホテル
南波雅俊キャスター:
では、実際に旅行先に行って泊まる場合です。体の不自由な方が旅行で困ったことは、「車いすだと毛の長い絨毯などが引っかかってしまって大変」という声や、「みんなで旅行に行きたいけれどもバリアフリー対応の部屋が少ない」というような声があった中、山梨県・河口湖温泉の富士レークホテルには、バリアフリー対応が72部屋中23部屋あります。取材すると大体3~4部屋ぐらいのところが多いそうですので、23というのは相当多いです。
入浴用のリフトも完備されています。いすが左右に動いてさらに上下にも動くので、座ったまま温泉の中に入ることができます。さらに車いすでも開けやすい「引き戸」も完備。そして、耳の不自由な方のための筆談用のテンプレートもあります。
富士レークホテルの井出泰済社長は「新入社員が入るたびにバリアフリーなどに力を入れていることを伝えている。こういったお客さんの要望は、できる限り“できない”を言わずに何とか対応できるようにしている」と話しています。
■楽しく気軽に社会貢献 フェアトレード商品とは
遊びに行った先で私たちにできることもあります。東京の吉祥寺にある「マジェルカ」という雑貨店で売っているのは、体の不自由な方たちが作った作品を適正価格で販売している「エコッチマグネットメモホルダー」(2200円)というもので、エコッチのエコというのは読んで字のごとくエコなのですが、瓶の蓋なども使われている“リサイクル”です。
そして名刺ケースなどもあり、これはお米を入れる茶色い紙の袋を活用しているということです。実際に売り上げは製作者の工賃に反映されるというものです。
井上貴博キャスター:
今、感じていることをぜひ教えてください。
椎木里佳さん:
私の親戚もカフェで働いているんですけど、障害のある方が働けるカフェや施設はまだまだ少ないので、そういった施設が増えていくのはもちろん、利用する方も増えていけばいいなと思っています。
井上貴博キャスター:
声の上げにくさみたいなものは感じていますか?
椎木里佳さん:
それはすごくあると思います。自分自身が働きにくい状況にあることは認識しつつも、やっぱりしょうがないんじゃないかってどこかで思ってしまっている方は多いと思います。周りの方が声を上げていくのもそうですし、関係ない方も皆さんで誰1人取り残さない社会を作っていければいいなと思っています。