■なぜ、イヌワシは減り続けているのか?
八木山動物公園 飼育係 武田和浩さん
(減っている理由は?)
「一番は狩場がなくなってきている」

イヌワシは、その大きな体で野ウサギやヘビなどを上空から狙い捕まえます。そのため、うっそうとした森では狩りができません。餌をとるには、伐採後に新しく植林された場所や草地などのような開けた空間が必要なのです。
1970年代の翁倉山周辺には植林地や草地とみられる場所が数多く見られました。しかし林業の衰退などで、今では、それらの多くが樹木で覆われています。イヌワシは餌の狩場を失ったのです。

南三陸ネイチャーセンター友の会会長 鈴木卓也さん
「イヌワシというと森の鳥のイメージを持っている方もいるが、森の鳥ではない。草原の鳥。込み入った林、うっそうとした林では暮らしていけない鳥だが、日本でずっと生きてこられたのは人が山に手を加えて、木を切り続けてきた事で、イヌワシも暮らしてこられた。山に手が入らなくなってうっぺいした状態の山が増えたことでイヌワシが暮らせなくなっている」

鈴木卓也さんは、旧志津川町、今の南三陸町出身。南三陸ネイチャーセンター友の会の会長を務め自然環境をよりよくする活動を続けています。そして、小さいころから魅せられてきたイヌワシを呼び戻すプロジェクトを進めています。
鈴木卓也さん
「イヌワシがいるのが、鳥を見ている自分たちの誇りみたいな感じ。実際に初めて見たのが4年生の5月だったかな。やっぱりすごいな大きいな立派な鳥だなと」