摂取させた?誤飲?どうやって立証するのか
―――10月の11日から12日にかけて、浜野さんの部屋で起きたのではないかということですけども、宮本容疑者が浜野さんにこのタリウムを飲ませたのか、それとも浜野さんがどういうわけかわからないけど自分で摂取してしまった可能性はないのか、とか意図せず摂取してしまった可能性、このあたりの立証は今後どうなっていきそうですか。
小川泰平氏(犯罪ジャーナリスト 元神奈川県警刑事): それは本当に非常に困難な作業になるんですが、そもそもタリウムが浜野さんの自宅にあること自体がまず不自然ですから、タリウムを誰がどのようにして入手したのかっていうのが一番問題になるわけです。
誤って摂取する、誤飲をした可能性は否定できない。浜野さんが自分で飲んだらこうなるっていうのがわかっていて、自らそれを選ぶということは、ご家族のお話からも「いろいろこれからやりたいことがたくさんあったんだ、計画があった」というところから見ると、自ら命を絶つようなことはない。
それから考えると、誤って飲んだと言っても、自ら誤って飲んだのか、誤って飲ませられるように飲ませたのか。タリウムというのは、青酸カリ等とは違って無味無臭なのですね。ですから本当に水で、しかも非常に溶けやすいというふうに言われています。ですから簡単に摂取させることが可能な劇物ということが言えると思います。
―――タリウムは劇物です。古くは脱毛用クリームや殺鼠剤にも使われていたようです。ただ脱毛用のクリームに関しては、1973年にWHOが使用禁止を呼びかけていて、殺鼠剤に関しては厚労省が毒劇物の一般消費者への販売自粛の通知もしています。しかし、2005年に女子高校生が母親にタリウムを飲ませて殺人未遂容疑で逮捕されていたり、2015年に女子大学生がタリウムで友人を殺そうとして逮捕されたり、こういった事件は起きていたわけです。