ヒラメやアワビ、処理水で飼育
処理水海洋放出への不安を少しでも解消しようと、東京電力は、去年9月から福島第一原発の構内で“ある試験”を始めました。
奥秋「たくさんの機械がありますが、こちらはどんな施設ですか?」
東京電力 海洋生物飼育現場責任者・山中和夫さん「こちらが管理区域の中でヒラメ、アワビ海洋生物を飼育している施設になる」

試験では、「ヒラメ」と「アワビ」それぞれ800匹ほどを海に放出する際と同じ濃度に薄めた処理水で飼育し通常の海水で育てたものとトリチウムの濃度を比較します。
東京電力・山中さん「こちらは普通の海水にアルプス処理水を混ぜてトリチウムの濃度が約1300ベクレルに調整している」
奥秋「現状はどうですか?海水とトリチウム水と比べて」
山中さん「全く違いはありません」
これまでのところ、ヒラメとアワビの体内でトリチウムの濃縮は確認されず、異常はないということです。
山中さん「実際にトリチウムを含んだ海水で飼育をすることで、魚、貝が通常海水と同じように元気に育っているという姿を目で見て分かっていただくというのが一番重要だと思っている」

県内の漁業関係者などからは根強い反対の意見が出ている中、どのように「関係者の理解」を得ていくのか。東京電力の廃炉作業の最高責任者は…
東京電力福島第一廃炉推進カンパニー・小野明プレジデント「科学的根拠に基づいた正確な情報をきちんと発信しながら、地元の方のみならず国内外の方々にアルプス処理水についてよく知ってもらう。その安全性についてご理解を深めていただくことが非常に大事だと思っている」

この春から夏ごろにかけて海への放出が示された処理水。
政府が示した時期が近づいています。