保管容量限界近づく 海洋放出決定

原発事故後、原子炉建屋から発生する汚染水。
その汚染水は、多核種除去設備=アルプスで大部分の放射性物質を除去していますが、トリチウムと呼ばれる放射性物質は取り除くことができません。

このトリチウムが残ったものが「処理水」です。原発構内にある処理水の保管容量はおよそ137万トン。それに対し、現在処理水は132万トンまで増え、その容量は限界に近づいています。

東京電力リスクコミュニケーター・高橋邦明さん「(タンクは)秋ごろにいっぱいになると予想しております」
奥秋「タンクがいっぱいになった場合の対処法として増設するというお考えはあるんですか?」
東京電力・高橋さん「現在のところタンクを増設する計画はございません」

処理水の処分を巡り、2015年、政府と東京電力は県内の漁業関係者に対し「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と書面で約束を交わしました。

しかし・・・

菅元総理「風評対策を徹底することを前提に海洋放出が現実的と判断し、基本方針をとりまとめました」

タンクの満タンが近づく中、政府と東京電力はおととし4月、処理水を海水で薄めて海へ放出することを決めました。

計画では、処理水を国の基準値の40分の1となる1リットルあたり1500ベクレル未満に薄め、海底トンネルを通じて沖合1キロに流すことにしています。

東京電力は、去年8月から海底トンネルの掘る作業を進め、現在、およそ800メートルの地点まで掘り進めていて、春ごろの開通を目指しています。

しかし、処理水の海洋放出について漁業者や消費者などから憤りや不安の声があがっています。