9日に開幕するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)東京プール(1次ラウンドプールB、東京ドーム)で侍ジャパンの初戦の相手となる中国代表が7日、強化試合を終え東京へ移動した。
この日は前日に続き宮崎で社会人チームとの強化試合に臨んだ。宮崎梅田学園に7対5で敗れたが、4番に座った陳晨内野手(チン シン、27・江蘇ヒュージホース)が4打数4安打3打点と気を吐いた。
陳晨内野手は中国国内でもトップクラスの三塁手で、パンチ力のある打撃が魅力。試合後には「一番自信があるのはバッティング。速いストレートとスライダーを打つのが好き。2ストライクに追い込まれても諦めず、投手との駆け引きを楽しみたい」と語っている。
日本との開幕戦は「大谷選手、ダルビッシュ選手と対決することが楽しみ」だと言い、「大谷選手との対決は、迷わず思い切って振っていきたい。WBC は素晴らしい舞台。自分も努力をして最後まであきらめず頑張りたい」と意気込む。
両親が中国出身(父が中国籍、母は中国出身の日本国籍)の元ソフトバンク・真砂勇介選手(28・日立製作所)は、「3番・センター」で先発出場し、2打数2安打。前日の西部ガス戦でも2安打1四球と、好調だ。6日の5回ウラの守備時には、センターからのバックホームで、持ち前の強肩も発揮した。
ディーン・トレーナー監督は6日の試合後の会見で「中国チームの強みは、真砂選手が良い活躍をしてくれたこと。初戦の日本戦は、難しいところもあるがみんな楽しみにしている。できることをやるだけ。とにかくチャンスを狙って、真砂選手に頑張ってもらって、勝ちに行きたい。とにかく自分のスイングをしてほしいし、期待している」と語っていて、隣に座った真砂選手も「中国代表としてプレーできることは誇り。一致団結して勝利に向かって頑張っていきたい」と応えている。
6日の試合を視察した元日本ハム投手の斎藤佑樹さんは「チームはヒット11本を打ちながら、あと一歩が出ず(2対6で)敗戦。それでもつながりだしたら怖い存在。また中国は、守備が良い。特に二遊間。あそこでアウトを取られてしまうと、厳しい戦いになる。日本は気を抜かず、一つ一つ丁寧にプレーしていかないと。中国は不気味な存在になる」と警戒する。
トレーナー監督は「真砂もチン・シンも非常に良い活躍をしてくれている」と評価していて「二人ともチームにとって重要な役割を担っている。状況によって入れ替わる可能性もあるが、3番、4番のクリーンアップを任せる可能性は高い」と信頼を寄せる。
近年は国際大会に出場しておらず、情報が少ない中国。WBCは5大会連続出場で過去4大会とも日本と対戦しているが、いずれも日本が勝利している。
※写真は左から真砂勇介選手、陳晨内野手
【中国代表の試合日程】
◆カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール(プールB)
3月9日(木)vs日本
3月10日(金)vsチェコ共和国
3月11日(土)vsオーストラリア
3月13日(月)vs韓国