「ピンクシャツデー」を知っていますか?2月の最終水曜日に、ピンクのシャツを着たりピンクのものを身に着けたりすることで、いじめ防止・いじめはダメと意思表示をする世界的な活動です。 この取り組みを取材しました。
きっかけはカナダの高校での出来事
そもそもは2008年に起きたカナダでの出来事がきっかけです。高校生の男子生徒がピンク色のポロシャツで登校したところ「男のくせにピンクを着ている」といじめられてしまった。それを知った上級生が「じゃあ僕らもピンクのシャツを着ていじめストップを」と提案したところ、呼びかけに賛同した生徒たちが翌日ピンクのシャツで登校し、学校中がピンク色に染まって、いじめは自然となくなったそうです。
こうして始まった「ピンクシャツデー」。カナダでは政府も情報発信をしていて、トルドー首相もメッセージを出しています。多くの企業も参加しているほか、パトカーにピンクのステッカーが貼られていたり、バスもピンクシャツデーのラッピングがされているそうです。テレビのニュース番組でもキャスターがピンクのシャツを着て伝えているそうです。
活動は世界に広がり、日本でも今年のピンクシャツデーである2月22日を中心に各地でイベントが行われました。特に神奈川県内では、多くの施設がピンク色にライトアップされたり、企業・団体がイベントを開催したりと大きな取り組みとなりました。
神奈川県内のピンクシャツデー活動を主催した、神奈川子ども未来ファンドの吉富多美さんはーー

神奈川子ども未来ファンド 吉富多美さん
「『いじめストップ』とか『多様性』とか、そういうものを受け入れられるような地域にしていこうという思いがあったので、最初に行政、それから企業・団体と、全てが手をつないだ形でやっていこうと。やっぱり1つの団体だけでやっていると、どうしても目立たないですよね。それで企業さんにも声を掛けたら、デパートが支援してくださって、店の中をピンクに染めてくださったり、チャリティーで売り場を作ってくださったりして応援してくれました。市議や県議さんも2月の議会の時にピンクの缶バッジをつけてくださっていました」
サッカー少年・少女への啓発活動
横浜市内では小学生のフットサル大会が開催されました。これは市内でサッカースクールを開いている加藤晋平さんが「ピンクシャツデー」に賛同して企画したものです。
「FC SANCTUS」代表 加藤晋平さん
「22日のピンクシャツデーの当日のイベントも、子どもたちと一緒に横浜駅でチラシを配りました。いじめはささいなきっかけで当事者にもなるし加害者にもなってしまうんですよね。だけど、せっかく私たちサッカーチームなので、サッカーを通していろんな方と協力しあって、何か1つの輪みたいなものが広まっていくと、顔見知りだったりとか、知ってるよっていうだけで、もしかしたらいじめが減るんじゃないか。周りの親の目とか大人の目というのも大事なので、ここで子どもたちが顔を覚えてもらえれば、街歩いてて何か危険な目があれば助けてもらえたりとか、そういうきっかけにもなるかなと思ってます」

閉会式では、子どもたちに声を出すことの大切さを教えていました。「声を出せば仲間を助けることができる。そうすればきっといじめもなくなる」と、表彰式では試合中に声をよく出していた子が表彰されました。