■カーネクストWBC強化試合 阪神 1ー8 日本代表(6日・京セラドーム)

9日に開幕するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に向け阪神との強化試合に臨んだ侍ジャパンは、MLB組がスタメン出場。初出場となった3番・指名打者の大谷翔平(28)は2打席連続ホームラン、1番・センターのヌートバー(25)は侍ジャパン初ヒット、初打点と2安打を放った。

侍ジャパンはWBC開幕戦まで強化試合は残り2試合、この日は大谷翔平(28)、ヌートバー(25)、吉田正尚(29)のMLB組もスタメン出場。侍ジャパンのスターティングメンバー発表で“3番・指名打者、大谷翔平”とコールされると球場は大歓声に包まれた。2017年10月9日以来、6年ぶりに日本での試合出場となった。

1回、先頭のヌートバーは阪神の先発・才木浩人(24)のボールをよく見てカウント3-1と打者有利にすると外角のボールを逆らわずセンター前へ侍ジャパン初安打をマークした。

近藤がダブルプレーに倒れ走者がなくなったが3番・指名打者の大谷。久しぶりの日本に気持ちも入り1球目、高めボール球のストレートに手が出そうになったがバットを止めた。カウント1-2からの4球目、大谷は高め154キロに空振り三振、この打席は全てストレートで打ち取られた。

3回、2死三塁で1番・ヌートバーの第2打席、ミドルネームの“たつじ”コールが起こる中、カウント1-1からの3球目。ストレートをセンター前に弾き返し、侍ジャパン初打点で1塁ベース上でメジャーでも大人気の胡椒をひく“ペッパーグラインダー”ポーズを見せた。

続く近藤が四球で2死一、二塁の場面で3番・大谷、カウント1-2と追い込まれると4球目。低めのフォークボールに左ひざをつき、右手一本ですくい上げると打球はセンターへ。驚くべき身体能力でスタンドへ運んだ。ベンチの侍ジャパンメンバーも驚きを浮かべた。ホームで待っていたヌートバーに大谷は胡椒をひく“ペッパーグラインダー”ポーズを披露した。

5回、またも2死一、二塁の場面で3番・大谷、カウント2-1から豪快にスイングしたがボールを捉えきれずにファール。本人も悔しい顔を見せた。そして、カウント3-2からの7球目、外角高めのストレートを完璧に捉え、打った瞬間に確認歩きを見せた大谷。2打席連続となるスリーランを放った。

この日は吉田正尚(29)も3打数1安打1打点とメジャー組で8打点、一気にチームのムードも変わり、あと3日後に迫ったWBC開幕戦に向け、最高の状態となってきた。

試合終了後にベンチでスタンバイしていた大谷はヒーローインタビューを忘れていて慌てて飛び出す姿も。第2打席のひざつき片手ホームランについては「1打席目で反応が悪いかなと思っていて、何とか2打席目で修正して打てて良かった。2ストライクからいい角度で振ることが出来た」と話した。そして、3打席目の2本目は「ちょっと詰まりましたけど力で運べて良かった」とパワーアップを実感していた。淡々とインタビューに答えた大谷だが最後はファンに向かって「まだまだ声援が足りないので、もっともっと大きな声援をお願いします」とコメントした。