―――誤って摂取した場合の治療は。
薬師寺泰匡院長: まずは嘔吐、下痢で水が足りなくなるので、点滴と酸素投与。次に除染をどうするか。活性炭に吸着できるような物質であれば積極的に投与しましょうとなっていて、飲んでもらうか、鼻から胃に管を入れてそこから活性炭を流すような、中毒物質が疑われるときはやります。あとは透析で抜けるかどうかというところです。特異的な治療として「プルシアンブルー」という物質があって、鉄とシアンなどからなる物質だが、これがタリウムを吸着します。ありがたいものですが、まず医療機関に置いていない どうやって入手しようかというところから始まり、なかなか治療にも難渋します。
―――今回の事件で、気になる点はありますか。
どこから入手したんだろうか、というのが一番。殺鼠剤としては非常にポピュラーで、戦後すぐのころは脱毛していくという現象を逆に利用して、脱毛剤として使われていた経緯がありました。ただ子どもが誤って服用して死亡したりとかいう例が起こって1973年にWHOが各国に使用しない方がいいですよ、使用禁止をしましょうという話をだした そこから廃れていきました。
以前は一般的に入手可能なものだったが、販売の規制がかかって、管理者には厳重な管理が求められるような形になって、なかなか買えるようなものではなくなりました。今手に入れようと思ったら工業用で使うようなものを製薬会社などから直接、購入するしかないような代物ではないかと思います。














