風評被害は数字で出せない

ノリ漁師 菊地幹彦さん:
「不安だっちゃ。不安以外の何物でもない。問屋さんや買う側がどう理解するかわからない。自分たちも買う側だったら当然思うこと。少しでも安全なものを買ってしまうからね」

菊地さんたちが生産したノリの平均価格は、震災前と比較すると値段は最大で4.6円近く上昇。菊地さん、自らの頑張りで品質の高いノリを生産してきた自負があります。

福島第一原発に近い亘理町。風評被害でノリの価格に影響が出ることを恐れています。

ノリ漁師 菊地幹彦さん:
「距離的に何キロあるのか、50キロないのではないか。頭では理解していても、感情的には、また魚やノリが安くなるのではという不安はある」

政府は様々な対策を打ち出しています。風評被害が起きたときに水産物の買い取りを行う300億円の基金を用意するほか、東電も、水産物の価格が風評被害で下落した際には、決めた基準に基づき賠償することを決めています。

しかし、菊地さんは、一律の賠償基準に疑問を持っています。

ノリ漁師 菊地幹彦さん:
「水揚げに対してという考えなのだろうが、漁師は良い時もあるし悪い時もある。風評被害は数字で出せるわけではない」

2月11日、処理水を巡り県と漁業関係者らによる会議が行なわれました。テーマは風評被害が発生した場合の対応について。